So you want a brewing license?

日本で小規模醸造所を作る。これは、現状では容易なことではない。国税局発行の酒類製造免許を取得しなければならないからである。 この酒類製造免許取得というのが、難解を極めるのだ。まず、国税局が指定する資料項目一式(http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/sake/annai/pdf/03.pdf)を提出することから始まる。この項目の中には、免許申請書・事業計画書・履歴書・醸造技術を有する証明書・物件の契約書・住民票等々が含まれている。しかし、この書類を全て取り揃えていったところで受け取ってもらえるとは限らない。それは、この項目の最後に記載のある『その他参考となるべき書類』という書類が必要となるためである。これは、申請者によって揃える資料が異なるために、このような記述がされているようである。内容は多岐に渡るが、最も重要視されるのが、実際に開業し営業していくための資金が存在するかということである。その証明として、銀行口座に資金があれば通帳のコピー、もしくは金融機関・公的機関からの融資の決定がされていればその証明書が求められる。つまり、資金はこれから調達する予定である、ということでは受理すらしてもらえないのだ。しかし言い換えれば、次の5つの条件さえクリアしていれば、受理までの期間は短縮することができる。①醸造所を構える物件を既に契約している。②開業・運転資金が潤沢にあり、すぐにそれを証明できる。③しっかりとした事業計画書がある④書面において醸造技術を有する証明ができる。⑤税務署から何を言われても笑顔で対応できる気構えがある。⑤は冗談のようだが、実は一番大事なことだったりする。何回も何回も通うことになるのは、間違いないのだから。

以上のことから、酒類業界の知識や醸造の技術がない者が免許を取得するには、困難が付いて回ることだろう。しかし最近、小規模醸造所開業を目指す人が増えてきている。私自身も現在、免許取得のために日々奮闘中なのだが、一歩先を行かれたのが『高円寺麦酒工房』の能村君である。彼は脱サラし、経験のないこの業界に飛び込んできた。最初は、本当に大丈夫か非常に心配したが、あれよあれよという間に申請受理から4ヵ月後に免許を取得してしまった。この4ヶ月という期間は、おおよそ受理から大体4ヶ月で交付に至るという目安なのだが、その間に国税局から求められる資料を提出できないと、半永久的に延びていってしまうのだ。そのことからも、彼の免許取得には大変勇気付けられた。今後のビール業界にも少なからず良い影響が出ることであろう。私も一日も早く免許を取得し、最高のビール(酒類表記上は発泡酒)を造りたい気持ちで一杯だ。そして、醸造所開業を目指す人がどんどん増えていき、日本が世界有数のレベルの高いビール大国となることを切に願う。

鈴木真也

前・横浜ビール醸造長。現在、横浜市中区に醸造所開業(BAY BREWING YOKOHAMA)を目指し、免許申請中。

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